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㈱旭工務店


 創業70年以上福岡の老舗地場ゼネコン「旭工務店」の社長が交代した。吉弘直彦前社長が代表取締役会長に、代表取締役副社長だった前社長の実弟、吉弘真二氏が代表取締役社長に就任した。就任した日付は、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、政府が緊急事態宣言を発出するかどうかいう4月1日。いきなり難局に直面せざるを得なかった。

新しい分野への進出

吉弘真二社長

「弊社主力の、デベロッパーを受注先とする分譲マンションや賃貸マンションの建設はもちろん、最近少しずつ増えているオフィスビルの建設など、今まで以上に力を入れていこうと思っていた矢先のコロナ禍でした」

 と話すのは新社長の吉弘真二氏。設備投資の準備なども行っていたが、白紙になってしまったという。

「コロナの影響で、今後は分譲マンションの建設が減りそうだというデベロッパーさんからの情報もあり、一度、リセットして戦略を練り直す必要があると思っています」

 旭工務店は創業以来、建築一本でやってきた。それゆえデベロッパーからの信頼も厚い。同業他社の多くがバブル崩壊やリーマンショックの影響で消えていくなか、旭工務店は荒波に揉まれながらも生き残ってきた。そのためデベロッパーからの相談を受けたり、立ち上げから一部協力したりするなど、確固たる地位を築いてきた。

「ここまで旭工務店が大きくなったのは、デベロッパーさんや銀行さんとの強固な信頼関係によるものです。緊密かつ親密にお付き合いさせていただいています。そういった連携の中で現在の私たちがいると思っております」

施工能力も高く評価されてきた。施工の技術はもちろんだが、そこまでに至る経緯、例えばマンションの建築の際、企画の段階からどうすれば単価が安くなるか、などオープンに情報を開示することで、打合せがスムーズになり、より固い信頼関係で結ばれることになる。

また、安全対策の人員配置、パトロールの改善策、現場のトラブル防止対策などの面が万全に配慮されているところも、その一助をとなっているようだ。

 しかし、これからの時代、建築一本だけでやっていくのは難しいのではないかという思いもあるという。

「コロナ禍があったから、というわけではありませんが、他の業種にも幅を広げたほうがより我々が成長できるのではないかと思っています。今、考えているのが土木の分野です。案件が大型化している昨今、土木との関係が密ではないと工期や価格の問題が出てくる。それをスムーズにするためには土木分野への進出が不可欠と考えております。そのため、M&Aなども含めて検討をしているところです。そのほかには不動産分野にも幅を広げていければと思っております」

コロナで注目の除菌装置

強力除菌の「ルマリエ」

 ところで、同社は福岡では有力なゼネコンではあるが、20年ほど前、関連会社のナップスが空気中の細菌やウイルスを強力に除菌する紫外線照射装置の開発に協力していたことはあまり知られていない。「ルマリエ」という装置がそれだ。

「当時、ペット可マンションの要望が増え始めたんですが、ペットがいると雑菌が増えるケースがあります。そのためクリーンな物件を売りに出来ればと思ったので販売に携わりました」

 除菌能力は高く、人体にも安全だが、当時の世間は特に関心を示さなかった。4年前、同社が完成させた東区の「第2給食センター」には導入したが、多くは病院関係や大学などの研究所で、一般にはあまり浸透しなかった。
だが、新型コロナの感染拡大でにわかに関心を集め、今年、福岡市に開業するホテルの厨房にも設置。会社や個人などからも頻繁に問い合わせがあるという。

 社長のイスに座って背筋が伸びる思いだという吉弘新社長。新しい分野への進出の構想も含めて今後の展開に目が離せない。

【概要】
㈱旭工務店
〒812-0016 福岡市博多区博多駅南5丁目10-13
TEL:092-431-4131(代表) FAX:092-431-4195(代表)