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JR九州「福岡都市圏」減便発表から分かる「鉄道事業赤字」の深刻度


 JR九州の青柳俊彦社長が、2021年春のダイヤ改正で福岡都市圏の在来線を中心に減便することを発表した。新型コロナの感染拡大による在宅ワークやオンライン授業の増加で、通勤通学の利用客が減っていることに対応するという。

 JR九州の鉄道事業は以前から赤字だったが、そこにメス入れることができず、2018年に会社発足以来はじめて大幅な減便に踏み込んだ経緯がある。その当時に比べると、今回の大幅なダイヤ改正は速やかに決定されたように見える。それも仕方ないだろう。

 2020年4月~6月の決算を見ると、会社全体の営業収益は対前年比で約38%減の386億円の赤字で、鉄道事業の収益は246億円の赤字となっている。

 先日、JR九州は赤字17区間を発表していたが、そもそもJR九州の在来線は約9割が赤字。鉄道事業は赤字という慢性的な“病”にさいなまれているのだ。

 そこにコロナ禍が降りかかったため、2022年の長崎新幹線暫定営業までダイヤの大幅な改正はないとしていたが、対処せざるを得なかったに違いない。

 そこまで鉄道事業の運営が厳しいと赤字ローカル線の存続が気になるところだ。

 青柳社長は、コロナを理由に赤字ローカル線を切るようなことはしないと会見で答えているが、果たしてそうだろうか。

 自ら、「新型コロナが収束しても、鉄道利用は以前の7~8割しか回復しない可能性がある」と語っているのだ。それはすなわち、今まで得られていた鉄道事業収入が2~3割減少するということだ。
 
 しかも毎年のように水害が起き、甚大な被害を受けている。これからも修繕費用がかさんでいくはずである。にもかかわらず、赤字を垂れ流し続ける路線を維持できるのだろうか。

 JR九州の未来へ続く線路はどこまで続ているのだろうか。