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菅政権誕生と新型コロナ感染症で地銀再編は加速するか?


 菅首相の「(地銀の)数が多すぎる」発言でにわかに注目を集めているのが地銀の再編だ。多くの地銀は長引くマイナス金利政策と、地方における人口および企業の減少に苦境に立たされている。

 そのため、他行と合併や資本提携、業務提携など生き残り向けて策を講じてきた。しかし、そうした道を進まず、独自でサービスを展開して苦境を乗り越えようと努力している地銀もある。

 全国地方銀行協会の大矢恭好会長(横浜銀行頭取)は16日の定例記者会見で、「銀行が価値のあるサービスを提供できればオーバーバンキングとはいえない」「再編だけが手段ではない」と語っているが、政府はどうやらそうは思っていないようだ。

 安倍政権下で続いてきた「未来投資会議」では地銀の再編を進めるに独禁法にまで手を入れたのだ。つまり、親和銀行と十八銀行との統合で長崎県の銀行の7割のシェアを得ることになっても独禁法に抵触しない、という判断を下し、今後、地銀同士の統合や合併を独禁法の適用外にするという特例を設けたのだ。

 そんな中で起きたコロナ禍だ。 

 企業救済策として打ち出した政府の経済対策による無利子、無担保の融資に企業が殺到し、銀行の貸出残高は一気に増えた。その止血作用により、たしかに倒産する会社が激減した。しかし、それは一時的なものに過ぎない。コロナの今後の成り行きによっては、バタバタと企業が倒れ、不良債権化する恐れもある。

 そうすると、地銀はますます厳しくなるし、政府からの再編の圧力も強まることだろう。

 リーマンショック以上とされるコロナ禍。企業も銀行も生き残るための戦いが本格的にはじまることになるかも知れない。