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工藤会トップに死刑判決 危惧される「山口組進出」と「元組員の半グレ化」


  死刑————

 2014年9月、福岡県警の「頂上作戦」がはじまり、7年の歳月を経て、ひとつの節目を迎えた。

 複数の事件で殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)のトップ、野村悟被告(74)と、ナンバー2の田上不美夫被告(65)に対する判決が24日、福岡地裁で言い渡された。

 検察は野村被告に死刑、田上被告に無期懲役を求刑していた。特に指定暴力団トップに死刑が求刑されたのは初めてで、注目された判決だった。

 これまでの公判では、殺人などの4事件において野村被告による指揮、関与があったのかどうかについて、検察側と弁護側が真っ向から対立していた。

 しかし、判決公判では、裁判長が4事件について野村被告らの指揮、関与を認定、主文が後回しになった。

 判決は求刑通り、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役の判決がくだされた。

 死刑判決がくだされれば、多数の組員が組織から抜けるとの情報がある。これまでも福岡県警の徹底した工藤会への取締りで壊滅的な打撃を受けたが、この判決によって組員の減少など、さらに弱体化する可能性はある。

 しかし、すでに暴力団の“空白地帯”になりつつある北九州には山口組系暴力団が密かに入り込んでいる。今後協力関係を築くのか、あるいは入れ替わるのかは様子を見ないと分からないが、その土地から暴力団が追放されたわけではない。

 しかも、仮に組員が大量に足を洗ったところで、元暴力団組員に対する風当たりは強く、元暴力団5年条項によって銀行口座などが作れず、結局は、半グレ的な犯罪が増えることも考えられる。つまり、犯罪行為が必ずしも減るとは言い切れないのだ。

 死刑判決によって、工藤会が今後どうなっていくのか注目されるが、工藤会の根城だった土地を虎視眈々と狙っている組織がいることや、元暴力団員の半グレ化への危惧を忘れてはいけない。