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サムティ株式会社


福岡のポテンシャル

サムティ取締役、サムティホテルマネジメント代表寺内孝春氏

——博多駅前と中洲のホテル2軒の開業をはじめ、福岡市で活発に不動産開発をされているようですが、福岡市の不動産マーケットをどう分析されていますか?

寺内 私どもの本社は大阪ですが、東京の次に支店を設置したのが福岡です。それほど福岡は不動産マーケットとしては重要拠点で、ポテンシャルが非常に高いと感じています。私どもがそう感じていることを表すもっとも象徴的なものが、福岡市でのホテル第一号となった「エスペリアホテル博多」(博多区)です。4~5年ほど前、その土地のマーケット相場は坪500~600万円でした。これは格安です。しかし、私どもは落札できるかどうかという価格で争わず、将来の事業性から逆算して相場より高めに入札し、落札しました。

——高値で取得されたことに周囲の反応は?

寺内 落札当時は、地元の不動産業界からは「高すぎる買物でいずれ失敗する」と見られていたようです。実際、地元業者からは、安い価格で「私たちがその土地を買いますよ」というアプローチがありました。しかし、東京の会社は真逆でした。地元業者が示す倍近い金額を提示して「譲っていただきたい」と申し出がありました。大手の不動産会社は、東京及び主要都市圏はもちろん日本全国の不動産マーケットを見ています。不動産価格の変動や外資の動きなども考慮すると、福岡の土地が高い可能性を秘めていることがわかります。だからこそ、相場より高値でも取得しても惜しくないのです。

福岡を中心に九州全域に1000億円以上の投資?

——今年5月に明治通りビジネスセンターの本館と別館を取得されています。今後の展開を教えてください。

寺内 私どもは住宅やホテルの他、オフィスビルの開発も行っております。もちろん福岡市でも物件を探しています。できることなら博多~天神の間の土地を、と思っていましたが、土地の価格や立地など、なかなか投資に見合うものがありませんでした。そこへ思いがけず私たちの望む条件と合った同センターが売りに出ていることを知ったため取得することになりました。ただ、同センターは築年数が古く、メンテナンス費用が相応にかかります。またオフィスとしてのスペックも低く、OA機器の設置に不便さを感じるところもあることから、リノベーションや建て替えもひとつの選択肢として考慮に入れながら、今後、どう活用していくか見極めていきたいと思っています。

——2021年、今後5年間で全国に収益不動産やレジデンス、ホテルやオフィス等に約7500億円を投資すると発表されていましたが、福岡への投資額の割合は?

寺内 福岡支店は福岡だけではなく、九州全域をカバーしています。福岡単体でお答えすることは難しく、福岡を中心とした九州全域には、という言い方になりますが、計画の10~15%程度というところでしょうか。私どもの収益ルールや、投資額に見合う利益が得られる土地、物件などが今後見つかれば、さらに増額する可能性もあります。

価値を創造する不動産開発

——福岡は土地の価格のわりにマンションもオフィスも賃料が安いと言われています。投資に見合う利益を確保出来るのでしょうか?

寺内 たしかに地価が高いにもかかわらず賃料が低く抑えられています。オフィスに関しては天神ビッグバンなどで古いビルの建て替えが進められるため、賃料の上昇などで市場は活発になっていくと思いますが、課題は賃貸マンションの賃料の上昇です。例えば、築年数や立地などにもよりますが、中央区、博多区エリアのワンルームや1Kの賃料は坪8000円~1万円程度です。福岡市は若い人の人口が増えており、そこに引っ張られて賃料が安く設定されているのではないかと思いますが、大濠公園や赤坂、桜坂など一部の地域では坪2万円のものもあります。それでも入居者がいるということはニーズがあるはずです。しかし、ただ賃料を上げただけでは相手にされません。仮に賃料を坪1万5000円に設定するためには、それだけの価値を創造しなければならないと思います。ただ、地元の企業がそういったことに積極的に取り組んでいるかというとそうでもありません。ならば私たちがやるしかない。つまり、入居者の方々に向けた、提案型の不動産開発を進めていかなければならないと思っています。とはいえ、まだ具体的な物件が実現しているわけではありません。それを想定した物件の検討などを行っている最中です。賃貸マンションに関しては、おそらく、この「価値の創造」が不動産開発の課題になっていくと思っています。